根強い人気の太陽光発電
他方、この事件に対する日本人の反応の中には、アメリカ側に対してあまり説得力を持たぬ例も多い。
たとえば「当のアメリカこそ、旅行パトを絶滅させ、野牛も滅ぼし、第一、アメリカが江戸時代の日本に開国を迫ったのは、捕鯨のためでもあった。
まさに壱岐こそ、かつては沿岸捕鯨で栄えたのに、アメリカなどが江戸末期から明治にとり尽くしたため、クジラがとれなくなった犠牲者なのだ」という反撃。
これは事実だが、すべて昔の話だ。
現在、アメリカは野生動物やクジラの保護を、日本よりはるかに熱心にやっている。
たとえばまた「アメリカはイルカ式マグロ漁で日本の何倍もイルカを殺しているじゃないか」という反撃。
これも事実だが、事態は急速に変化しつつある。
全米熱帯マグロ委員会によれば、1972年までは年3十数万頭も殺されたイルカが、次々と成立した保護法によって年々減り、去年はついに1万6000頭までに落ちた。
頭数の確認法などに疑問は残るものの、殺される数が激減していることは事実のようだ。
漁法の改善、漁網の改良にも熱心である。
ゼロに近づくのも遠くはなさそうだ。
さらに「イルカより人間が問題だ。
アメリカの人種差別やベトナムでの米軍の無差別虐殺にこそ反対したらどうだ」という声も、少なくとも自然保護運動の急進派に対しては無効である。
「インディアン大行進」〔注1〕を支持し、ベトナム戦争に反対し、核実験や原子力発電に反対してきたのは、かれらなのだ。
3人の中ではたぶん最も冷静かつ論理的に討論したと思われるキースクルーガー氏は、結局のところ生態系の撹乱が問題であって、「それはやがて漁民に対しても復讐となって現れるだろう」といい、人類による地球の破壊を防がなければならない、と語った。
これはまことに正論だ。
ただ、それならやはり全生物が問題なのであって、イルカだけに特等席を与える理由というところでまた「知能」の問題へと堂々めぐりをするのであった。
こうしてさまざまな面から討論した結果、3つの点でかれらに説得力の弱さが目立った。
第一はイルカの「知能」が他の全動物に比して特別に高いと見る点だ。
こういう問題に私たちはきわめて慎重でなければならない。
動物の知能の判定は、あくまで人間のモノサシによるものである。
それはあたかも、多様な才能の子供たちを、文部省の定めた一本のモノサシによって「共通一次試験」でばっさり判定し、序列を作る作業と似ている。
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